2011年6月1週号

■今月のひと言

『欲望をくすぐる』 イメージ戦略

人がモノを買う場合、そのモノに結びついたイメージをセットとして買っている。言い換えれば「個人的な思い込み」をうまく利用して売ることが成功の秘訣となります。自動車の宣伝では、美しい女性が車の横にいるのが定番となっている。この光景を見ると脳に次のようなことが書きこまれる。「この車は美女が好んで乗る良い車だ。」「この車に乗れば美女をものにできるのだ。」
こうしたメッセージは「言葉」としては全く伝えられない。脳のメカニズムとして、人間が勝手にそう思い込んでくれる。

■集客・営業・広告・販促に役立つ心理マーケティング

『固定観念』

以前、ある街で講演をさせて頂いた時のこと。講演後の懇親会で隣にいた方がビールをぐびぐびと飲んでコンパニオンの女性と楽しげに談笑していました。
聞くと、その方のお歳は90歳!!
「健康の秘訣は何ですか?」と私が尋ねるとこう答えてくれました。
「毎朝、卵を3個食べることだ。」

「え〜!朝から3個もですか・・・」と驚いたらこう言われました。
「あっちのテーブルに居る彼は卵を食べながら自転車で日本全国を周っているんだよ。」

それは是非話を聞いてみなくては・・・と思った私はテーブルを移動して、その彼に聞きました。
「自転車で47都道府県周っているんですか?その元気の秘訣は何ですか?」
すると彼はこう答えてくれました。

「毎日、卵を10個食べてます。」
「え〜っ、10個も!!」

一日に卵を10個も食べるとは驚きです。実は私はカミサンに「卵は一日1個だけだよ。コレステロールが溜まるから」と言われ続けてきました。でも、その説は前述のお二人によると正しくないのだそうです。卵を食べ過ぎるとコレステロールが蓄積されるという説は、実は今から80年以上も前にウサギを使った実験結果であり、人間の場合には一日1個以上食べてもなんら問題はないとのこと。

もし、それが本当であれば単純に「卵は一日1個まで」という思い込みを「卵を一日2個以上食べてもコレステロールは溜まりません。むしろ卵は元気の源です。」と訂正できれば需要は2倍に増える可能性があります。世の中にはこういった「風説」や「思い込み」が結構あるのではないでしょうか。

「卵は一日1個まで」「家は一生の買い物」「育児は女性の仕事」「転職はキャリアに不利」「大学を卒業すれば就職に有利」「健康のために食事は一日3食」・・と言われますが、実際に卵を10個食べて元気な人はいるし、家は供給過多で余っていますし、育児をするイクメンは普通だし、転職でステップアップする人は大勢いますし、大学を出ても就職難です。腸のためには朝食を抜いた方が良いという説もあります。
人は案外、多くのマユツバ的な情報を信じて生きているのかもしれません。
ビジネスマンや商売人に固定観念は禁物ですね。

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◆集客・営業・広告・販促・マーケに役立つビジネスコラム 2011年.6月2週号

■集客・営業・広告・販促に役立つ心理マーケティング

『割れたせんべい』

今冬に八戸駅に降り立った時のことです。その日の気温は氷点下。駅のエスカレータで地上出口に降りると、終点場所に一人の女性が両手を差し出して立っていました。

「何をしているんだろう。こんな寒風の中で。」
そこは駅の外で、強い海風が吹きつけています。彼女が掲げている両手を見ると、そこには割れたせんべいがたくさんありました。
「よかったらどうぞ」と彼女は言います。彼女のほっぺは寒さで真っ赤です。ひとつそのせんべいをつまんで食べるとこれが美味。「いつもここで立っているの?」と聞くと「はい。お店があそこにあるんです。よかったら寄ってください。」と言います。彼女の指差す方向を見るとそこにはおせんべい屋さんがありました。その時にふと頭に浮かんだのです。「そうだ!今晩打ち合わせするH本部長のお土産におせんべいを買っていこう。」・・・結局、そのお店で私はりんごせんべい、豆せんべい、ブルーベリーせんべいの3種類のおせんべいを買いました。

彼女は新幹線の到着時刻に駅のエスカレータ下で立っています。新幹線が新青森駅まで延長されたため八戸駅での乗降客数が減って売上げが下がっているそうです。だから、彼女は「今」の「自分でできること」を「考え」て、それを「実行」していたわけです。「割れたせんべいを食べた人のだいたい何割がお店にくるの?」と聞くと、日によっては食べた人のほとんどがお店に立ち寄ってくれることもあるとのこと。

新青森駅ができた後で、きっと、八戸駅の周辺でもこう言う人がいたはずです。
「新青森駅が出来たから商売あがったりだよ。誰か、何とかしてよ!!」
しかし、どんなに嘆いてもきっと「誰」も「何」もしてくれないでしょう。でも、駅に立っていた彼女は環境の変化に対応して「今」の「自分でできること」を「考え」て、それを「実行」していました。もちろん、それだけで経営が好転するはずもありませんが、彼女の商売に対する姿勢はきっと他の面でも生かされていて、これ以外にもいろいろと工夫して、考えて、実行しているはずです。彼女のような100分の1の積み重ねこそがビジネスや商売での問題解決のための光を生むのだ・・・彼女の真っ赤な手を見て私はそう思いました。

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◆集客・営業・広告・販促・マーケに役立つビジネスコラム 2011年.6月3週号

■集客・営業・広告・販促に役立つ心理マーケティング

『スキーマ』

家のDVDプレーヤーが故障したため家電店に修理の依頼に行きました。
店員さんが説明をしてくれたのですが、専門用語ばかりの説明なので機械オンチの私には彼が何を説明してくれているのか全く意味不明でした。店員さんは一生懸命説明する、しかし、お客には伝わらない・・・なぜでしょう?

心理学にはスキーマという概念があります。スキーマとはある事柄を理解するためのベースになる知識や経験のかたまりのことです。例えば機械と電気の知識がある人であれば、先の店員さんの説明は納得できるかもしれません。でも、私にはそのスキーマが無いので相手の言っていることが全く理解できません。店員さんと私のスキーマが違うのです。

よく「一生懸命話しているのに、話の内容が部下に伝わっていない上司」がいます。これは部下と上司のスキーマが一致していないために起こります。上司がどんなに一生懸命に丁寧に具体的に説明しても、そのアドバイアスは無駄な努力に終わる可能性があります。私はパソコン教室を運営していたことがありますが、知識は豊富なのに教えるのがヘタなインストラクターを数多く見てきました。これも生徒のスキーマを理解していないことに起因しています。もしあなたが交渉の席で相手に上手く意図が伝えられない、接客時にお客さんに納得してもらえないとしたら、それはあなたの説明が相手のスキーマに合っていないのかもしれません。

このようなすれ違いを防ぐ方法は「ターゲットを明確に、具体的に想定する」ことです。
ターゲットはどの程度の知識レベルを持っているのか、どの様な言葉を使うのか、どのような仕事に従事している人なのか、どのような学歴の持ち主なのか、何歳なのか・・・といったことまで具体的に絞込みを行なって初めて、そのターゲットに適した説明をするスタートラインにつくことができます。

商売ではターゲットの絞込みを十分行い、ターゲット像を明確にし、ターゲットのスキーマを理解して初めて、伝えたいことをちゃんと伝えることが可能になります。さて、あなたの日ごろの説明はお客さんのスキーマに合っているでしょうか?

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◆集客・営業・広告・販促・マーケに役立つビジネスコラム 2011年.6月4週号

■集客・営業・広告・販促に役立つ心理マーケティング

反応の良いキャッチコピーを書くためのコツはお手本となるコピーをマネして、自社に応用することです。今回は雑誌、新聞、サイトや書籍タイトル等で見つけたお手本となるキャッチコピーを紹介させて頂きますので、あなたの会社やお店でのコピー作りの参考として下さい。

■『カーッと熱くなって汗がでる、なんだかわけもなくイライラしてる。そんなことが気になったらあなたも○○かもしれません。』

お客さんの悩みや困っていること、問い合わせの多い内容はだいたい決まっていて共通項があります。・・ということは広告のキャッチコピーに多くのお客さんに共通する悩みや困っていること、症状を含めると、それを目にした人は「あっ、これは私のことだ!」と関心を持つ確率が上がることになります。

冒頭のキャッチコピーはそんなお客さんに共通する悩みや症状を含めたコピーになっていますね。
「あっ、これは私のことだ!」とキャッチコピーで関心を持ってもらってから本文に誘導するのが広告コピー構成の基本です。

■『住宅ローンの返済額が増えてしまうあなたへ。○○で、毎月の返済額を減らす手があります。』

前半部分は「悩み」を持つ、「あなた」へ、という言葉で読み手に「自分のことだ!」と認識させます。
そして、後半で「悩み」を解決する「手段・方法」を提案しています。
だから、「悩み」を持つ、「あなた=読み手」は次の本文を読まざるを得なくなります。

「仕事のストレスが増えているあなたへ。あなたの天職が分かる無料転職セミナーがあります。」
「納税額が増える社長さんへ。節税に役立つ7つの手段を解説した小冊子があります。」

このように「悩み」「ターゲット」「救済方法」「数字」「無料」といった要素を組み合わせるとどんな業種であっても無限に効果的なキャッチコピーは作り出せます。