2020 年11 月号vol . 3

公立病院を減らす政府
2019 年 10 月に政府は 424 ある公立病院を減らす考えを都道府県へ伝えた。
2020 年 9 月までに廃止する公立病院などを決める予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、2025 年まで期限延長となった。
地域で『最後の砦』となる機能をはたしている公立病院もあるのにそれを減らそうとしている。国民の安全・安心を全く無視した政権にあきれる。

ECMO とは
済生会・宇都宮病院の救命救急センター長の小倉崇以 ( たかゆき ) 医師によると呼吸の ECMO と心臓の ECMO の 2 種類がある。肺や心臓がだめになって全く使えなくなった人、動かなくなった人に導入する、生命維持装置です。
全国に約 400 台あり、ECMO を専門として経験のある医療者は約 30 人ほどで、ECMO について指導ができる程度に知っている人が約 60 人いる。
ECMO を専門にする医師は ICU ドクターと言われる集中治療専門医と、救命救急センターで働く救命医です。
一般に、呼吸器内科や呼吸器外科、心臓血管外科や循環器内科の医師はトレーニングを受けなければ使いこなせない。
ECMO は 3,4 種類ある。1 つの機械を使って 20 例、30 例、40 例と経験しないと使いこなすことはできない。これまで日本で ECMO を導入する症例は、おそらく1 つの病院で年間に 2 例や 3 例しかなかった。呼吸の ECMO に関しては 1 年間で経験できる症例が 2 例、3 例なので、10 年やっても 20 例、30 例しか経験できない。それなので、私はイギリスに行って 1 年間で 80 例を扱ってきた。
日本は海外と比較すると機械のほうが先にばらまかれた。約 10 年前の 2009 年に新型インフルエンザのパンデミックが起き ECMO 治療したなかでの救命率は36% だった。
人口 6700 万人のイギリスは ECMO で治療する施設を国内 6 施設に限っていた。ECMO センターと言われる 6 ヵ所の病院を選定して、そこでやってくださいと。インフルエンザで呼吸不全の重症患者は全て 6 ヵ所に集めて、ECMO の症例をたくさん経験させ、慣れた人たちに多くこなしてもらうことにした。
イギリスでは、新型インフルエンザの ECMOを使って治療した患者群の救命率は72%だ。

コロナ患者が人工呼吸器から ECMO が必要な状態になるのは
人工呼吸器による治療というのは、肺炎など、傷んだ肺をなんとか使いながら、機械のサポートを受けつつ呼吸をさせるという治療だ。
酸素と二酸化炭素を取り込むのは患者さん自身の肺がやる。肺は傷んでいるが、まだ使えるのでがんばって、サポートするのが人工呼吸器。
ECMO は全く違っていて、血液を体の外に取り出して、「人工肺」と言われる機械の肺の中で酸素と二酸化炭素の交換を行って、酸素化された血液を体の中に戻す 治療だ。
よく「究極の肺・休息治療」と言われるのだが、肺を休める治療、肺を全く使わせないという治療法だ。
人工呼吸器から ECMO が必要な状態に変わるタイミングとは、患者さんの肺がこれ以上だめになっては困るというときだ。自分の肺を使いつつ、人工呼吸器のサポート得ながらであっても酸素が取り込まれなくなったら、ECMO の適用になる。
一方で、ここが難しいのだが、傷んだ肺を人工呼吸器で使い続けていると、肺は どんどんだめになっていく。そういう状態になってから ECMO を導入しても、肺はもう治らない。
肺が痛みきってだめになる前に ECMO をいれる必要があって、そのタイミングを判断し決断できるのが ECMO の専門医だ。それはやはり、数をこなしていないと難しい。
ECMO を使う場合、24 時間 365 日、ECMO を扱える医師が必ずベッドサイドに 1 人はいる。これは世界中どこでも同じだ。なので、ICU で治療することになる。
ECMO を使い初めて、例えば 2 週間使って回復しない場合、ECMO を打ち切ることもあるのか。
ある。ECMO を使って治る肺なのかどうかを、例えば肺の一部をとってきて顕微鏡でみたり、CT で治りそうな肺が残っているかどうかをみたりという検査をする。コロナ患者に人工呼吸器をつけた場合、その間に何か治療は行われているのか。
コロナ患者に対しては、アビガンやカレトラ、オルベスコといった薬を使い、薬でなんとかごまかしながらやっているというのが現状だ。人工呼吸器で粘りながら、傷んだ肺を使いながら、薬が効いてくるのをみんな待っている。だが粘りすぎると 肺がボロボロになってだめになってしまうので、その前に ECMO をいれていくのが今の流れだ。
コロナ患者のうち、ECMO を使用して回復する人と、亡くなってしまう人では何がどうちがうのか。
コロナで ECMO 治療を受けて良くなる人というのは、合併症を回避している。
合併症というのは色々あるのだが、例えば ECMO を装着していて出血してしまったとか、新たに(ウイルスではなく)バイ菌に感染してしまったとか、透析になってしまったとか、ECMO 治療をする中で ECMO の合併症に侵されていくと亡くなってしまう。
ECMOというのは、上手い管理をしないと患者を救えない。肝心なのは合併症を起こさないように管理できるかどうかで、それができる医師が今の日本には少ない。本来 ECMO は、慣れていない人がやるべきものでは絶対にない。それがいま乱発されようとしているので、黄色信号がともっている。
小倉先生はじめ ECMO を使える医師は今、どのような勤務状況にあるのかECMO を扱っている医師一般について言うと、自分の施設で経験したことのない数の ECMO が稼働してしまっているので、相当疲弊している。病院に泊まりっぱなしの人もいれば、少しだけ帰って寝てまたすぐ戻るなど、全く休みがない。
場合によっては ECMO ができないという施設に出向いていき、ECMO を一緒に装着してその場にとどまり、ECMO の扱い方を指導しつつ、自分の病院に戻ってまた ECMO をみるというのを繰り返している人もいる。時間外労働は 2019 年3 月の時点で 1 カ月に 150 時間や 180 時間との報告があがっている。

感染症対策の基本
感染症対策の基本は徹底した検査による陽性者の発見と隔離であるといわれている。
コロナウイルスへの日本の対応について、日本のマスコミは報道しなかったことで 海外から批判が相次いでいることは過去に書きました。特に PCR 検査数の少なさに対する指摘でした。日本では軽症者は検査をするなと言っている。2020 年 4 月アメリカ大使館は「日本政府はコロナ感染を広く検査しないと決定」「有病率の正確な評価困難」とアメリカ国民に帰国勧告をした。
これまで、東京において飲食で感染したケースは、会食で 7%、接待を伴う飲食で2.3% です。家庭内感染が 11 月、12 月で 40% 以上を占めている。
さらに、職場が 15% です。会食と接待飲食を合わせた割合よりも職場の方が多い。
NHK(www3.nhk.or.jp/news/html/20201218) 2020 年 12 月 18 日より

これまで、尾身会長は感染の起源には飲食があると名指しして飲食店を悪者扱いしてきました。
政府のコロナ対策
1. 飲食店の時短営業
2. テレワークで出勤者数の 7 割削減
3.夜 8 時以降の不要不急の外出自粛
4. 大型イベントの入場制限
テレワークが可能なのは大企業がほとんど。
2020 年 11 月初旬の自宅療養者は約 1,000 人だった、2 ヶ月後の 2021 年 1 月初旬に、17 倍の 17,000 人を超えてしまった。
家庭内感染の拡大を止めるためには、国や自治体が所有している研修所等の施設を隔離施設に転用する考えがないことに疑問を感じる。

ノーベル賞受賞者 政府のコロナ対策に苦言
ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏が 1 月 14 日「羽鳥慎一モーニングショー」にリモート出演。本庶氏が述べた提言にネット上で賛同が相次いだ。
「相変わらず飲食業をターゲットにして、そこが大きな感染源であるという意識」「政府側の積極的な対策、方針が見えていない」と明確さの欠如を残念がった。番組の中盤にはノーベル賞受賞者 4 人が出した「緊急共同声明」の提言を紹介。
声明
過去 1 年に渡るコロナ感染症の拡張が未だに収束せず、首都圏で緊急事態宣言が出された。現下の状況を憂慮し、我々は以下のような方針を政府に要望し、実行を求める。
1.医療機関と医療従事者への支援を拡充し、医療崩壊を防ぐ
2.PCR 検査能力の大幅な拡充と無症候感染者の隔離を強化する
3.ワクチンや治療薬の審査および承認は、独立性と透明性を担保しつつ迅速に行う
4.今後の新たな感染症発生の可能性を考え、ワクチンや治療薬等の開発原理を生み出す生命科学、およびその社会実装に不可欠な産学連携の支援を強化する
5.科学者の勧告を政策に反映できる長期的展望に立った制度を確立する
2021年1月8日 大隈 良典 大村 智 本庶 佑 山中 伸弥

通常の病院がコロナ患者を受け入れると、他の症状の患者の足が遠のき経営を圧迫するため、「1 つの病院を丸々、コロナ対応病院とするのが効率が良い」と述べ、専門病院を設けるべきだと主張した。
続いて「Go To トラベル」などの業界支援の仕方ではなく、検査数をより増やすために集約して資金を投入する方が有効的だとした。
ある会社が既に PCR 検査の機械をトラクターに埋め込んだ移動式の検査態勢を整えていると明かし、導入すべきだと強調。また無症状感染者を借り上げたホテルに滞在させ、食事を提供する隔離態勢を提案。ホテルと飲食業界にもプラスになり、 効率的に経済が回せる方法だと訴え、「1年前から繰り返し申し上げているが、いまだに厚労省の考えが変わっていないのは全く理解できない」と語気を」強めた。本庶氏は「政府側の施策、どうするのか。医療体制の問題、そういうことに対する 施策の方向性が非常に曖昧であるというのが私の感じです」と、政府への苦言を重ねた。

ワクチン「過度な期待は禁物」 効果は未知数、副作用に懸念
新型コロナウイルスのワクチンへの期待は高まっているが、順調に開発できたとしても、現時点でワクチンにどれだけの効果があるか分かっていない。
感染症が専門の委員から「過度な期待はしないように」と、冷静な対応を求める意見がでた。
「肺や気道に感染するウイルスのワクチンで、感染そのものを予防する効果を持つものはこれまでない」と分科会で感染症の専門家の一人が発言した。
季節性インフルエンザのワクチンも、効果が認められているのは重症化予防だ。新型コロナウイルスのワクチンに感染予防の効果を期待し、元の生活に戻れると思っていた一部の委員からは、落胆の声が漏れたという。
専門家の間に根強いのは副作用への懸念だ。開発中のワクチンの多くは、ウイルスの遺伝子の一部を使った新しいタイプで、これまで一般の医療現場で使われた例はない。限られた人数に接種する臨床試験では分からなかった重い副作用が、販売後に明らかになるケースも想定される。
2002 年~03 年に中国などで流行した SARS に対するワクチン開発の動物実験では接種によって抗体と呼ばれる免疫物質が体内にできたが、かえって症状を悪化させた例があった。
このため、分科会の提言では、販売開始後の調査体制の整備や、健康被害が生じた場合の救済措置の検討を求めた。優先接種の対象でも接種を希望しない人を想定し接種を拒否する権利も十分に考慮する必要があると明記した。
ワクチンは健康な人が接種するもので、病気の人を治す以上に高い安全性が求められる。尾身分科会長は会合後の記者会見で、「効果や安全性の面からどんな場合に 使えるか、または使えないのかの議論も必要になる」と語った。

相手をホッとさせる
なぜか初対面なのに接しやすい人がいる。この人の言うことを聴いてみようと思わせる人がいる。こういうタイプは、必ずしも多弁であったり、言葉巧みなわけではない。そういう人は「安心感」を与えるのがうまい。
人に出会ったら、相手の目を見てにこやかに挨拶しよう。これで場の空気がパッと明るくなる。笑顔にメリハリをつけ、ハキハキとした快活な声を出すだけで 人は「明るいな」「好感が持てそうだ」と思う。
こんな単純な動作にも「私は信頼に足る人物です」と言うメッセージを含めることができる。これで、相手も何となく心が落ち着いてくる。防衛本能を必要以上に刺激しないことで、心を開かせることができる。
笑顔と爽やかな挨拶で、心のバリケードをとく