2021 年4 月号vol .8

MMT と民主政治
今の日本でインフレを懸念するというのは、馬鹿馬鹿しい話です。
20 年という長期のデフレに苦しんでいる日本が、インフレを懸念して、、デフレ下で政府支出の抑制に努めたり、増税を目指したりしているなどという姿は異常です。「インフレ恐怖症」と言ってもいい。なぜ、これほどまで極端にインフレが恐れられているのか。
その理由の根源は、貨幣の理解にある。通貨の価値を裏付けているのは、通貨を法律で定め、その通貨による納税義務を国民に課す「政府」の権力である。ところが、主流派経済学の標 準的な教科書は貨幣について、いまだに、こんな説明を平気でしている。
原始的な社会では、物々交換が行われていたが、そのうちに、何らかの価値をもった「商品」が、便利な交換手段(貨幣)として使われるようになった。その代表的な「商品」が貴金属 とくに金である。これが貨幣の起源である。しかし、金そのものを貨幣とすると、純度や重 量など貨幣の価値の確認に手間がかかるので、政府が一定の純度と重量を持った金貨を鋳造 するようになる。次の段階では、金との交換を義務付けた兌換紙幣を発行するようになる。 こうして、政府発行の紙幣が標準的な貨幣となる。最終的には金との交換による価値の保証 も不要になり、紙幣は、不換紙幣となる。それでも、交換の際に皆が受け取り続ける限り、紙幣には価値があり、貨幣としての役割を果たす。このような貨幣論を「商品貨幣論」と言う。しかし、この「商品貨幣論」は間違いである。かつて、金本位制の下においては、通貨には確かに、金との兌換が義務付けられていた。当時は、各国政府が発行する通貨の価値は金という商品が担保していることになっていた。しかし、1971 年にドルと金との兌換が廃止されて以降、世界のほとんどの国が貴金属による裏付けのない「不換通貨」を発行している。ところが、なぜ、そのような不換通貨が流通しているのかについて、主流派経済学の「商品貨幣論」では、納得できる説明ができない。
主流派経済学は一応「他人が受け取ることが分かっているから、誰もが不換通貨を受け取るのだ」という苦し紛れの説明をしている。つまり、「みんながお金がお金だと思っているからみんながお金をお金だと思って使っている」というわけである。
さて、もし、この主流派経済学の説が正しいとすると、通貨の価値は「みんなが通貨としての価値があると信じ込んでいる」という極めて頼りない大衆心理によって担保されているということになってしまう。
しかし、もし人々が一斉に通貨の価値を疑い始めてしまったら、通貨はその価値を一瞬にして失ってしまうだろう。紙幣は、単なる紙切れになる。つまり、ハイパーインフレである。主流派経済学者が、なぜインフレを極端に恐れているのかわかるでしょう。
要するに、主流派経済学者は、それ自体に商品価値がないはずの不換通貨が、なぜ通貨として流通しているのかについて、本当のところ分かっていない。だから「もし、人々が通貨に対する信認を失い、通貨の価値を保証するものがなくなってしまったら、どうしよう」と 不安で仕方がないというわけである。「インフレ恐怖症」の原因は貨幣に関する無知にあった
ということである。そうであるならば、MMT の正しい貨幣論を受け入れればよいではないか。そうすれば「インフレ恐怖症」は治るだろう。普通の人は理解できることだが、しかし、残 念ながら、そう簡単にはいかないのである。その理由は民主政治の問題と深く関わっている。 改めて、MMT は「通貨の価値を保証するのは、政府の徴税権力である」と説明している。
国民主権である民主国家においては、政府の徴税権力の根源は、民主政治にある。 我が国でも憲法 83 条において、国会が予算や税を議決する「財政民主主義」を定めている。ということは、現代民主国家においては、通貨の価値を保証するのは「徴税権力 = 民主政治」だということになる。しかし、このような結論こそが、主流派経済学者には、とうてい受け 入れられるものではない。なぜならば、民主政治は、民意や政治的な利害調整によって決ま る。そのような不完全な民主政治が、通貨の価値を保証し、財政を決め、物価の調整に深く 関与するなどということは、主流派経済学者にとっては耐えられないのである。
なぜなら、主流派経済学は不完全な民主政治ではなく、完璧な市場メカニズムが経済をきれいに調整してくれる世界を理想としているからである。そこで、主流派経済学者は、財政 規律を重視し、民主政治による財政権力に制限を加えようとする。ジェームズ・ブキャナンなどは「憲法で財政規律を定めて、民主政治を制限せよ」とまで唱えました。
また、主流派経済学者は、物価の調整機能は中央銀行が担うべきだと主張している。そして「中央銀行の独立性」を重視する。「中央銀行の独立性」とは中央銀行が民主政治の影響を 受けずに、物価を調整するということ。要するに、主流派経済学はその本質において「反民主主義的」で「エリート主義的」なのである。こうした主流派経済学の理解に基づき、現実の経済運営は中央銀行の金融政策が主導するものとなり、財政政策に対する評価は消極的・否定的なものとなった。それは、アメリカでもヨーロッパでも日本でも、そうです。
しかし、今日、その金融政策主導の経済運営が完全に行き詰まってしまった。
特に日本では、量的緩和という金融政策主導によるデフレ脱却は明らかに失敗に終わった。主流派経済学は貨幣論からして間違っている。だから、主流派経済学にのっとった金融政策主導の経済運営が失敗するのは当然の結果であった。
では、主流派経済学ではなく MMT に従って経済運営すると、どうなるでしょうか。それは、財政政策主導の経済運営となる。中央銀行の役割も大事ではあるが、財政政策の役割の方がずっと大きくなります。さて、財政民主主義の原則がある以上、経済運営を財政主導にするということは、民主政治主導にするということになる。言い換えれば、経済政策が「民主化」されるのです。MMT は経済政策を「民主化」すべきだと主張しているのです。もっとも、民主政治が完全なものではないのは事実です。賢明とは言えない判断をすることも否定できません。しかし、正しい貨幣論に基づくならば、経済運営は「財政主導 = 民主政治主導」で行うしかないのです。仮にインフレの行き過ぎを防ぐための財政規律や「就業保証プログラム」のような制度を導入するにしても、その導入もまた、民主政治が決めるものです。民主政治をより賢明なものにするか否かは、我々国民の責任にかかっています。

経路依存性
一度、決まってしまったことは、そう簡単には元に戻したり、変更したりすることはできない、ことを言う。技術や製品、政治や経済にも経路依存性がある。
日本が 20 年以上もの間、デフレから脱却できないことも経路依存性があるからだと言える。富裕層、投資家、経営者は貨幣価値が下落し、賃金が上昇するインフレを非常に嫌がる。
ストック・オプション
株式会社の経営者や従業員が自社の株を一定の行使価格で購入できる権利のこと。
経営者がその給与の一部をストック・オプションでもつようになるということは、株価を 上げることが経営者のインセンティブになる。経営者は利益の分配を労働者よりも株主への配当に回し、あるいは、自社株を買って株価を吊り上げることに使うようになる。

日本の「ムチ型」成長戦略
1980 年代以降のアメリカの「ムチ型」成長戦略はアメリカを賃金が上昇しない国へと変えてしまった。生産性を経済成長も鈍化した。その代わり、アメリカの大企業の経営者や投資家たちは、目もくらむような法外な利益を手にするようになった。平成の日本はそんなアメリカの「ムチ型」成長戦略を手本に、いわゆる「構造改革」を始めてしまった。
きっかけはバブルが崩壊して不況に入ったためである。それまでの日本企業の経営は、終身雇用に代表される「日本的経営」と呼ばれるものであった。
バブルの崩壊で不況が始まると、日本的経営の評価が一変してしまった。バブルの発生は低金利を放置し続けた金融政策の失敗によるものです。つまり、マクロ経済政策の失敗がバブル崩壊による不況をもたらした。 当時の政策や世論に影響を及ぼす人たちの間違った考えで、日本的経営が槍玉にあがった。1994 年、「ヒルトン東京ベイ」に大手企業のトップ 14 人が集まり、経営のあり方を巡って議論を行った。株主重視派の筆頭は、宮内義彦・オリックス社長(当時)、雇用重視派の 代表は、今井敬・新日本製鐵社長(当時)との間で激しい論争が繰り広げられた。
政府は株主重視派のほうに軍配をあげ、日本の経営システムをアメリカ型の株主重視にすべく、構造改革に邁進していくことになった。
1999 年に労働者派遣事業が製造業などをのぞいて原則自由化され、2004 年には製造業への派遣も解禁された。これにより企業が人件費を抑制しやすくなった。
2001 年には、確定拠出型年金制度が導入されて、従業員は自己責任で年金を運用することになった。これにより、企業は従業員の年金に関する責任から開放され、リストラによる 人件費の削減がいっそう容易になった。
1997 年の改正商法でストック・オプションが導入された。2001 年の改正商法で新株予約権制度が導入された。自社株買いについて目的を限定せずに取得・保有することが可能になった。2003 年の改正商法では、取締役会の決定で自社株買いが機動的にできるように緩和された。また、社外取締役制度が導入され、外資による日本企業の買収が容易になった。2005 年には会社法が制定され、株式交換が外資に解禁された。

構造改革、規制緩和は貧富の格差を拡大させる
2014 年、家計の資金を投資に向かわせるため、少額投資非課税制度(NISA)が導入された。年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の公的・準公的資金運用やリスク管理体制が見直さ れ国内および海外の株式の比率が高められた。
2014 年 8 月に経産省の研究会が『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』を公表し、グローバルな投資家に認められる株主資本利益率(ROE) の最低水準を 8% とした。ROE は自己資本に対する当期純利益の割合のこと。
ROE は当期純利益を増やさなくても、株主還元により自己資本を減らせば、改善できる。これによって株主重視の経営が日本でも定着し、賃金が上がらなくなった。
意味の分からない言葉で実態を隠す政府~賃金を抑制
女性の活躍⇒女性労働者を増やすことで賃上げしないで人手不足を解消しようとする共働き家庭⇒共働きでないと生活できない家庭が増えている人生 100 年時代⇒老人を働かして賃上げしないで人手不足を解消しようとする移民政策⇒入国管理法を改正して、海外の低賃金労働者入れて、賃金の上昇を抑える「日本は規制が多すぎる。あるいは、規制が強すぎる。だから新たなビジネスが生まれない。それが経済停滞の原因だ」といった論調がまかり通ってきた。アメリカをモデルにした規制緩和や自由化が推し進められてきました。しかし、アメリカは規制の複雑さにおいて世界 トップクラスであり、銀行規制やインターネット規制に関してもトップクラスです。これに対して、日本は平均か平均以下です。日本よりもアメリカのほうが個人や企業を縛る規制が多くて面倒だということです。
レント・シーキング活動
レント・シーキング活動:他人の利益を奪って自分の利益を増やす PFI:政府や自治体が行ってきた公共サービスを民間企業に任せること。
日本は 2018 年 3 月時点で、666 の PFI 事業が進められている。内閣府は、イギリスなど海外で PFI が成功していると言っている。ところがイギリスの会計検査院は 2018 年、PFI について「公的な財政に恩恵をもたらしていない」と言った。多くの PFI は通常の公共入札よりも 40% 割高であった。新しい PFI がまったくなかったとしても、2040 年までの支払い金額は日本円に換算して 29 兆 1452 億円にもなるとのこと。
EU でも PFI 事業が非効率だったことが明らかになった。
日本の会計検査院は「PFI 事業が公共サービスを効率化するかどうか、分からない」と結論している。
内閣府は PFI 事業のメリットとして、「低廉かつ良質な公共サービスが提供されること」と「民間の事業機会を創出することを通じ、経済の活性化に資すること」を挙げている。しかし、普通に考えて、この二つは両立しない。
低廉かつ良質な公共サービスは儲からないし、儲けてはいけない事業です。それでは儲けたい民間企業の事業機会にはならない。民間の事業機会になり、経済が活性化するようなおいしいサービスを貧しい人々にも安価あるいは無償で提供するのは無理である。
そもそも、PFI 事業では民間企業が公共サービス事業を行うにあたり、公共部門から委託を受けるのであれば、その委託料は公共部門が出します。従って、公共部門が直接、公共サービス事業を行うのと、本質的には変わらない。また、民間企業が市民から利用料を徴収して公共サービス事業を行う場合は、市民は税金の代わりに利用料を徴収されるということである。結局、公共部門が税金で公共サービス事業を運営しているのと変わらない。PFI が非効率な理由
①民間企業の資本コストは公共部門より高くなる。
②民間企業はいったん公共サービス事業を受注したら、それを独占する。
③20 年から 30 年にわたって収益を得る。不正や汚職のインセンティブとなる。
2018 年 10 月にイギリスは PFI をやめることを表明した。同じ年に日本は PFI を推進するための法改正を行った。
規制緩和、自由化、民営化はルールの「撤廃」ではなく、ルールの「変更」である。
変更が行われる背後にはそのことで利益を得る特定の勢力がいる。端的に言えば「利益誘導」である。

年次改革要望書
1993 年の宮沢ークリントン会談で合意し、翌年から毎年 10 月に提出されるようになった。実態は宗主国アメリカが植民地日本に押しつける一方的な政策命令である。アメリカの要求は通信、医療機器・医薬品、金融、エネルギー、流通など多岐にわたり、法律などを含め、国の制度自体を変えてしまう。
《シカゴ・ボーイズ》
日本の政治経済体制を破壊して新自由主義体制を作ろうとする経済学者や官僚、政治家、新聞記者などはシカゴ大学でフリードマンの下で新自由主義・市場原理主義の経済学を学び、その実現に奔走している。シカゴ・ボーイズと綿密に連絡を取り合っているのが、在日アメリカ 大使館であり、CIA であると伝えられている。
彼らは 2001 年の小泉政権成立以降「構造改革」の推進者としてテレビや新聞で市場原理を宣伝し、金融と財政両面で「小さい政府」「均衡財政」「自己責任」「官から民へ」「市場原理 主義は主流派経済学」などを言い、政府の審議会や官邸内に巣くい私服をこやしている。 19 世紀から第 2 次世界大戦までのイギリス植民地政策は、植民地をデフレに追い込み、原料を安く輸出させ、代金をポンドで植民地に払う。植民地にはその金を使わせないようにしてイギリス国債の購入資金とした。こうして、イギリスは植民地から富を吸い上げるようにした。アメリカの対日戦略の根幹は日本から富を吸い上げてアメリカに貢献させることです。
2001 年小泉内閣は「構造改革なくして成長なし」のスローガンの下で、新自由主義を政治経済の基本とする政策を始めた。小泉政権はアメリカの「年次改革要望書」を忠実に実行していくことであり、その骨子は①緊縮財政 ②不良債権処理 ③時価会計の導入 ④BIS 規制ペイオフ採用 ⑤労基法の改訂で雇用規制の緩和であった。デフレを強化し、日本の金融資産をアメリカのために使うものである。
時価会計での問題はデフレで不動産価格が下がっているときに減損会計を導入したことである。
このことで、企業収益が減り、デフレを促進したことである。
BIS 規制はデフレで収益が伸びない中小金融機関にとっては、貸し出しを抑制することになりさらなるデフレ要因になる。ペイオフは地域金融機関にとっては預金の取り入れ額を規制されるから、業務展開が制約され、業務拡大にブレーキがかかる。
雇用規制の緩和は解雇をしやすくした。アメリカを除いて経営者が自由に雇用者を解雇できる国は他にないだろう。非正規社員の割合が増加した。1990 年は 20%、2003 年は30%、2012 年は 38.2% に達した。非正規社員の平均年収は年齢に関係なく 200 万円未満である。

売国政権 = 自民党
小泉総理は 2002 年に「基礎的財政収支の赤字を 2012 年にゼロないし黒字に転換する」というデフレ政策をとった。それは、日本人の預貯金を使わせないようにし、お金をアメリカに貢ぐためである。小泉・竹中コンビは円安で輸出を優遇し、緊縮財政で内需を抑制する政策をとった。「円高投機の防止」の名目で「ドル買い・円売り」の大規模な市場介入を行い円安誘導した。外国為替の市場介入は財務省が決定して日銀が出動する。
2003 年 1 月から 2004 年 3 月までに 48 兆円を投入した。こうして買い入れしたドル資金でアメリカ国債を購入した。
政府がドル買いをするときは、政府短期証券を発行して、それを金融機関が国民の預貯金 を購入し、財務省に払う。財務省はそれを日銀に渡して政府名義でドルを買い。アメリカ 国債に投資する。政府がドル買いするということは、日本国民の預貯金が吸収されて、アメリカ国債に投資されるということ。
アメリカは 2003 年 3 月にイラクに宣戦布告し、多額の戦費が必要であった。日本の多額のアメリカ国債買いはこれらの原資に充当された。
小泉構造改革で地方交付税交付金と国庫支出金(補助金)、公共投資を毎年削減し、2000 年を基準とすると 2001 年から 2010 年で実に 75.4 兆円に達した。この 75.4 兆円はアメリカ国債購入のために使われた。
1994 年からの「年次改革要望書」では毎年「簡保生命を民営化せよ」とアメリカから要求されていた。郵政民営化を要求するアメリカは郵政の 350 兆円を国債の引受先と考えた。

憲法違反の衆議院解散とアメリカの選挙介入
憲法 41 条で「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と明記している。その国会が郵政民営化法案を否決したとすれば、首相はそれに従うというのが憲法の 文言である。ところが、行政府の長として立法府の議決に従うべきにもかかわらず、小泉 首相はこれを無視して衆議院を解散した。
2005 年 9 月の総選挙で自民党が勝ち、郵政民営化がされた。ゴールドマン・サックスの案により、郵政は 5 社に分割された。
郵政が保有していた資産売却を進めたのが竹中であった。「かんぽの宿」等が売却され、不明朗な取引がマスコミで出るようになった。騙された国民は小泉・竹中が日本を破壊して富が外資と日本の協力者に持ち去られることに気づいた。

政権交代によって、国家破綻を免れた
2009 年 8 月の選挙で政権交代が実現した。直後の臨時国会で成立した法律が「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」であった。政権交代したことによって隠された事実がでてきた。日本郵政の上場スケジュールが決ま っていないのに、上場の際の証券会社が決まっていて、それがゴールドマン・サックス だと。当時の日本郵政の国債保有額 180 兆円のうち、約 95 兆円の償還期日が 2010 年~ 2011 年であったので、もし政権交代がなければ、100 兆円近い日本の国債の償還代金が日本国債に再投資されずにアメリカ国債の購入や外資の資金に流れるところだった。そうなれば、日本の国債調達に一挙に穴があき、国債価格が急落して長期金利が急騰するという、まさに日本財政の破綻につながる重大事態になるところであった。そればかりでなくアメリカは日本郵政の金を自由に使おうとしていた。まさに政権交代によって国民の財産が守られた。
「小さい政府、規制緩和、民営化」を標榜する小泉竹中構造改革に便乗して利権をねらう レントシーカーが暗躍した。竹中が積極的に推進した政策は多くの疑念があった。竹中が 金融担当大臣であった時、金融不安を起こしていない UFJ 銀行を強制的に破綻させ、分割して売りさばこうとした。UFJ 銀行は不動産融資が多く、都心の優良物件を担保としていた。金融庁の指導で不動産を売却することになり、多くは外資系の不動産業者が買い取った。金融庁の圧力を回避するため UFJ 銀行は東京三菱銀行に合併を申し入れた。
竹中は 2004 年に日本振興銀行に銀行免許を交付し、4 月に営業を開始した。しかし、わずか 6 年 5 ヶ月後に経営破綻し、戦後初のペイオフが適用された。その結果、預金保険機構は 3500 億円の負担が発生した。預金保険機構の原資は民間金融機関の預金保険料である。保険料は金融機関の経費となり、預金者に対する金利の低下となり、最終的には国民の負担になっている。破綻した原因を調査する委員会は、日本振興銀行に対する銀行免許は「妥当性を欠く不当な免許」であり、金融庁は「免許を付与すべきではなかった」と結論した。 当初から計画された壮大な詐欺事件ではないかという声が聞かれていた。警察や検察の検証結果は発表されていない。

郵政公社の民営化で巨額の国富が流失
「かんぽの宿」は土地・建物で総額 2400 億円かかっているものを 98 億円まで評価を下げ当時の郵政公社は不動産価格を鑑定するにあたって、時価会計と減損会計という手法をとり 将来の家賃がどの程度になるかを予測して時価を決めていた。この手法はデフレで地価が下がれば家賃も下がるし、空家になれば、家賃はゼロになる。小泉はデフレ政策をとり、あえて 家賃を下げて、国有財産を民間に叩き売っていた。
「かんぽの宿」の疑惑は、売却すべしと決めたのが竹中、売却側の責任者は郵政公社総裁の西川善文、買収する側の責任者が宮内義彦であった。
小泉は意図的にデフレ政策をとり会社側に従業員のリストラを促してきた。リストラされた人間は人材派遣会社を利用するようになる。人材派遣会社の大手がパソナであり、そこの 会長が竹中である。小泉内閣の閣僚として解雇を自由にできるように労働基準法を改訂し リストラを促進させ、私腹を肥している。
オリックスが第二の株主である人材派遣会社ザ・アールの代表取締役の奥谷禮子は「格差は甘えです」「過労死は自己管理の問題、他人の責任にするのは問題」「労働基準監督署不要」「祝日もいっさいなくすべき」などと発言している。同氏は 2006 年 1 月に郵政株式会社の社外取締役に就任し、郵政株式会社と 4 年間で 7 億円の取引があったことを参議院厚生労働委員会で指摘された。同氏は小泉内閣の「規制改革」委員会の委員であり、竹中とともに 政治的権威を利用するレントシーカーである。
アメリカは郵貯マネーの次に欲しいのは約 400 兆円と言われる農協の貯金と保険である。小泉進次郎が農林部会長となって進める農協解体もアメリカからの指図によるものでる。 また、TPP に積極的なことでも、日本の国益をアメリカに献上すること以外のなにものでもない。郵貯マネー、農協マネーの次にアメリカが狙うのは厚生年金と国民年金の運用をしている GPIF の約 170 兆円のカネを手にいれることである。
日本国民の安心・安全は眼中に無く、日本国民の財産をアメリカに貢ぐ政党が政権をとっていることに呆れる。国民への愚民政策の結果なのか?