2021 年7 月号vol .11

二酸化炭素が本当に温暖化の原因か Ⅱ
IPCC とは
IPCC は「危機」を唱えることが使命です。IPCC 報告書の査読経験があるビンセント・グレイは IPCC の業務を「科学のねじ曲げ」と皮肉りました。 環境問題は学会やメディアが一方だけを支持する事はありませんでした。気候変動は初めから国連が関わったために世に広まりました。
温暖化の原因は自然変動と人為変動とが同時に起きている。自然変動とは人間活動に関係 なく地球上で起きる温暖化や寒冷化です。人的変動とは人間活動によってもたらされた二酸化炭素などによる温暖化の事です。
温暖化への二酸化炭素の影響をみる場合は、観測されたデータから自然変動を控除しなければならない。IPCC は現在起きている温暖化をすべて人的変動としてきた。
①産業革命以前の気候変動は自然変動と考えられる。しかし、IPCC はそのように考えないですべての気候変動を人的変動とした。
②気候学者であれば、地球は 1 万年前には数千年間、今より暖かった事。1000 年頃の温暖期は現在と同程度に暖かった事。1200 年頃から 1850 年まで続いた「小氷期」があった事などを知っているはずである。
③1850 年頃から 2000 年頃まで温暖化は直線的に起きた。「産業革命が始まったから炭酸 ガスが増えたのではないか」と言う人がいますが、当時の炭酸ガスの量は現在の量と比較して微量であった。炭酸ガスの急増は 1946 年から始まった。
④IPCC は「小氷期」が地球規模であったことを分かっていない。寒冷期から回復した自然変動を炭酸ガスによる人的変動だとしている。

メディアの姿勢
赤祖父 俊一氏(元アラスカ大学国際北極圏研究センター所長)が務めていた頃、温暖化は北極圏でも現れるはずであると、その証拠が欲しいと世界各国のメディアが研究センターを訪れた。
地球温暖化のために永久凍土が融けて、フェアバンクスの家が潰れていると聞いたので、その写真を撮りたいと言う。そんな事は起きていないと言うと、「お前は IPCC の見解に反対するのか」とのこと、そして「温暖化の記事はもうできている。写真だけもらえればよい」ということであった。家が潰れるのは、永久凍土の上に直接家を建てると、暖房により永久凍土が融け、底が抜けるためである。彼らは次に氷河の末端で氷が崩れる動画を撮りたいと言う。「氷河は氷の河ですよ。氷が流れ氷河の末端で崩れ落ちるのはあたりまえ」と 言っても、聞く耳を持たない。テレビで温暖化の話題になると、最初に出てくるのは、この海岸に突出した氷河の末端で崩れ落ちる氷塊の映像である。
赤祖父氏が世界各地の氷河を調査したら、ほとんどの氷河が 1850 年頃から後退を始めていたことが分かった。温暖化は小氷期から回復した当時から始まっていた。
IPCC が温暖化の証拠の一つとして示しているヒマラヤの氷河も、1800 年頃から始まっていたが、それに気づかなかったのである。ヨーロッパアルプスでは、氷河は気候変動に伴って何回も発達・後退を繰り返していた記録がある。また氷河に出かけ、「氷河の上を水が流れている。大変だ」という記事もあった。これは夏にはあたりまえの現象である。
アラスカのベーリング海に面した小島の沿岸が侵食されている。海岸線の変化は海流の変化でも起きる。
赤祖父氏は米国連邦議会上院でその対処等について証言を依頼され、自然変動の可能性が高いこと、特に日本の台風が温帯低気圧に変化し、アラスカまで来て大嵐となり、侵食が起きたことを証言した。北極海の氷の面積は米国と日本の人工衛星の観測によると、現在でも 1975 年頃とほとんど変わらない。
このような無知のために誤った報道がされていた。数えればきりがない。北極について知識のない市民はこの誤った報道を信ずるより仕方なかった。
現在の COP( 条約締約国会議 ) は、それをさらに助長している。反対意見は全く無視されている。
IPCC の気象学者たちはスーパーコンピュータを使って、2100 年までの気温上昇を予測する研究を行った。
対流圏中層の観測結果は 2000 年から 2020 年までの 20 年間に気温は 0.1 度~0.2 度上昇した。コンピュータを使った予測では 0.2 度~1 度上昇していることになっている。わずか20 年でこんな大きな差になった。そんなことで 100 年後の気温など正確に推定できるはずがない。IPCC はその平均値をとって、この 20 年間で 0.4 度上昇としているが、そのばらつきは大きく、単純計算すると 2100 年には 1 度から 5 度上昇することになる。IPCC の最初の計算では 2 度から 9 度以上のばらつきがあった。
コンピュータによる将来の気温上昇は信頼できる状況ではない。
IPCC の決定的間違いは自然変動を無視して炭酸ガスによる温暖化を過大評価したことである。IPCC も COP もどうして間違いを無視できるのか。1975 年から 2000 年までの 25 年間に 0.5 度温度上昇があったが、それをかつてないほどの上昇であるとして、炭酸ガスによるとした。同様の温度上昇が 1940 年代にもあったのに分かっていなかった。自然変動として0.4 度上昇した。炭酸ガスによる上昇はせいぜい 0.1 度と推定される。炭酸ガス 100ppm の増加に対して、気温上昇は 0.2 度程度であるがコンピュータ・シュミレーションによるとそれが 1 度となっている。つまり、温暖化は少なくとも 5 倍に過大評価されている。
地球温暖化問題はまだ学者の間で議論している段階であり、重大問題として騒ぎ立てる問題ではない。メディアが取り上げるべき問題でもない。IPCC が最初からこの問題を政治問題としたことが、現在の暴走の大きな原因である。

温暖化が止まった
大部分の気象学者が全く予想しなかったことが起きた。2000 年から 15 年もの間、温暖化がほとんど止まってしまった。地球温暖化が炭酸ガスによるとする主張に疑問を持ち始めた 学者もいた。アメリカの全科学学会誌で、ケールはすでに 2009 年に、一部の研究者は気温上昇が止まっていることに注目していると発表した。
イギリスのハドレー気候研究センターでも気温上昇が止まり、逆にわずかながら下降の傾向があることを 2012 年には知っていた。しかし研究者などは、少し待てばまた上昇が始まると信じていた。2015 年のエルニーニョ現象で、研究者などの期待通りに気温は一時上昇したが、その後はまた低下している。その後、この学会誌は反対論文を受け付けないこと にした。学会誌としてありえない。

日本の台風
台風が来るたびに、気象予報士が地球温暖化を持ち出しています。しかし、観測事実をみるかぎり、それはありません。気象庁で統計を 1951 年からとり始めています。それによると発生数には 1960 年代半ばと 1990 年代はじめにピークがみられる。接近数は年間 4~5 個程度、上陸数は年間 0~3 個程度で推移している。ただし、長期的には、明瞭な増加、減少傾向はみられない。ー気象庁統計よりー
地球全体のハリケーン
ハリケーンは発生海域が西太平洋なら台風、オーストラリア近海やインド洋ならサイクロン北東太平洋と大西洋ならハリケーンとよびます。年ごとの変動はあるものの、狂暴化した 気配はないです。
2017 年の 8 月から 9 月にかけてカリブ海諸国と米国を襲い、大きな被害をもたらした 3 個のハリケーンを NHK などは地球温暖化の影響があるような報道をしたが、多くの研究者は温暖化とは無関係だと言ってます。
ハリケーンの発生数は秋口の海水温が高い時代より、低い時代の方が多いといいます。

カーボンニュートラルの陰で進む原発復権
前田雄大氏(外務省入省、原子力業務などを経て気候変動を担当。)EnergyShift 発行人から引用します。
前田氏は 2017 年から 2019 年にかけて気候変動担当の総括補佐として、温室効果ガス削減や気候変動外交の立案に携わってきた。
世界的な脱炭素の流れをけん引しているのは、太陽光や風力といった再生可能エネルギーです。
国際エネルギー機関が「これからの王様は太陽光」と形容するのは資本主義にも合致する誘因があるためだ。
いまや再エネは低コストで、エネルギー安全保障上も国内生産が可能で、そして気候変動対策にも資するエネルギー源になった。ここだけ切り取れば、日本も選択をしない手は ない。実際、日本政府も再エネの主力電源化を掲げている。
問題は主力電源化の「化」だ。これは都合のよい表現で、増加率が見られていれば「化」を取ることができる。つまりどのタイミングで主力電源になるか分からないが、そこに 向かっていれば「主力電源化」を宣言できるのです。
日本の場合は、再エネは太陽光であれ、風力であれ、地理的要因から制約を受けるため、発電容量を大量に増やすことが難しい。さらに、発電量が自然条件に左右される。
カーボンニュートラル=原発
カーボンニュートラルに必要なのは二酸化炭素を排出しない電源であり、原発は二酸化炭素排出をともわない(実際は 核分裂反応は二酸化炭素を出さない)。再エネはこれから増設していかなければならないが、原発はすでに設備投資があり、必要なのは再稼働という意思決定だけだ。(自民党は原発再稼働をさかんに言っている)
自民党はカーボンニュートラルの議論を活用して、原発の必要性を強調し、それに即した議論に持っていっている。
2020 年に示されたグリーン成長戦略において、
「原子力については、確立した脱炭素技術である。可能な限り依存度を低減しつつも安全性向上をはかり、引き続き最大限活用していく。安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発を行っていくことが必要である」
政府が書く表現としては非常に強い表現とのこと。原発行政により戻しをしてきている。 政府は何か重要な意思決定をするときに、形式上、有識者会議を招聘する。これは、政府が恣意的に決定したのではなく、有識者の知見に基づいて意思決定をしたという形をとるため。政府の息のかかった人間が選ばれる。
グリーン成長戦略と同時期に開催された『総合資源エネルギー調査会基本政策分科会』資源エネルギー庁の局長発言の要点
⑴脱炭素に向けて再エネのみならず、原子力を含め活用する
⑵原子力は、電力の安定供給、経済効率性、脱炭素文脈での優位性の利点がある
⑶世界各国はカーボンニュートラルの手段として原発を活用しているのが実情
⑷安全性は追求した上で、初期コストの高い原発は稼働するならば長期を視野
⑸新しい原子力技術へ挑戦
政府に呼ばれた(賛成意見の人間)エネルギー行政の意見を後押しする意見が続発した。 これまで「ベースロード電源」という表現で原発の重要性を維持しながら、再稼働に関する難しい舵取りをしてきた原発推進派にとって、カーボンニュートラルは渡りに舟である。 この審議会においては、カーボンニュートラルをテコに原発推進していくことになった。
プラネット・オブ・ザ・ヒューマンズ(マイケル・ムーア総指揮の映画)
長州新聞より引用
「CO2 による地球温暖化、気候変動によってわれわれの未来が脅かされている」「石炭や石油などの化石燃料に頼ることをやめ、クリーンエネルギーへの転換を」と声高に叫ぶ 環境保護運動のリーダーたちが、実はウォール街の投資家や億万長者にとりこまれて、再エネビジネス推進の道を掃き清めている事実を描いたものだ。
風力や太陽光など再生可能エネルギーは「原発と違ってクリーンなエネルギー」という イメージを持っている人が多いと思う。
バーモント州での環境保護団体の「太陽祭」。照明も演奏も 100% 太陽エネルギー使用と言っていたが、そこに雨が降ってきた。舞台裏に行くと、バックアップのために電気がひいてあった。
ゼネラルモーターズが CO2 を排出しない電気自動車を製作した。その製作発表会、「電気自動車のバッテリーを充電している電気はどこから?」と聞くと、コンセントからと 言っていた。
ミシガン州は森林を伐採してつくった風力発電所がある。高さ 150mの巨大風車には、コンクリート 521t、銅が 140tも使われている。巨大なブレードはグラスファイバーとバルサ でできており、重さは 16t。化石燃料を使って作られたこの巨大な機械が、わずか 20 年で捨てられ、風車の残骸となる。
太陽光発電も同じだ。バークレー大学の研究者は言う。再エネ事業者は「ソーラーパネルの主成分はシリコン、つまり砂です」と宣伝しているが、砂は不純物が多すぎて使えず、高純度の石英が必要だ。そして鉱石から石英を取り出すためには、石炭を使って大型の電気オーブンで 1800 度まで熱しなければならない。するとシリコンと大量の CO2 が得られる。カリフォルニア州の砂漠に世界最大の太陽光プラント(37 万 7000kw)が完成した。この太陽光発電所は、毎朝およそ数時間も天然ガスを燃焼させて起動する。また、施設全体はコンクリートからスチールミラーまで化石燃料を使って作られている。「太陽を利用するのはよいが、太陽光発電所は再生可能ではない」「化石燃料をこれらの “幻想” をつくるために使うのではなく、燃料として燃やした方がよかったのに」とは研究者の意見だ。
次に米国で最初に建設された太陽光発電所に行ってみると、そこは大量の壊れたソーラーパネルがそのまま放置され、墓場のようになっていた。
電気自動車テスラの創設者であるイーロン・マスクは、工場は太陽光と風力と地熱発電で100% 賄っていると言った。しかし、電気自動車、風力タービン、ソーラーパネルをつくるには、リチウムやグラファイトなどの希少金属が不可欠で。それはアフリカなどの鉱山から採掘されるが、採掘は子供たちを含む現地の人々の奴隷的な労働で成り立っている 希少金属を抽出するとき、ウランをまき散らしている。
電気自動車やソーラーパネルをつくるためにいかに地球の裏側の自然を破壊し、そこに住む人たちを住めなくしているかを肝に命じた方がよい。
バーモント州のバイオマス発電所では、地域の森林を大量に伐採して、それを天然ガス で燃やしている。大量の木を伐採したり運搬したりするために多くの化石燃料が必要だ。環境保護団体は「CO2 を出さない」と言うが、実際には大量に排出している。
再エネに巨額の資金を投資する億万長者、銀行家、大企業の CEO が次々と画面に登場するそのなかにコーク兄弟がいる。ソーラーパネルの製造やソーラー発電所の建設に必要な 資材の多くを、米国最大のコングロマリットの一つであるコーク・インダストリーズが つくっている。コーク兄弟は、石油や石炭、天然ガスなどのエネルギー産業を操り、環境保護活動家が「悪魔」と呼ぶ人物だ。
ブラジルでは多国籍企業がアマゾンの広大な森林を破壊してサトウキビ畑を作り、サトウキビからバイオエタノールを生産している。
「化石燃料からの離脱を」と訴える環境保護活動家のビル・マッキベンと環境保護団体の「350. org」はどこから資金を得ているのか? マクドナルド、コカコーラ、投資家のブラックロックなどとロックフェラーの名前も出てきた。
原発を建設してきた GE は風力発電に力を入れている。GE の研究所では、海藻をとってバイオ燃料にする研究をしている。豊かな海藻は根こそぎ取られてなくなってしまった。 映画の最後の場面で「資本主義による環境運動のハイジャックは終わった。環境保護と資本主義は融合した」「本来の環境運動を我々の手にとり戻し、億万長者が盗んだ私たちの未来をとり戻せ」と言うメッセージで終わった。
この映画が訴えていることは再生可能エネルギーのインチキだ。風力にしろ太陽光にしろ バイオマスにしろ、化石燃料を使わなければつくることも稼働することもできないし、そうした再エネをつくればつくるほど、地球の裏側ではアフリカの熱帯雨林やアマゾンの森林をどんどん破壊し、自然の生態系も破壊し、そこで暮らす人々を生活できなくしている。
何が「再生可能」なのか、何が「地球に優しい」のかを本当に考えている人はごく少数 だと思う。二酸化炭素を悪者扱いして、再生可能エネルギーにした方がよいと言う人達は 何も分かっていない。また、風力にしろ太陽光にしろ必ずバックアップの電源が必要なことを理解していない。
IPCC の実態
IPCC が「CO2 地球温暖化」を唱えていて、それを各国メディアが繰り返し報道してきたがそれ自体が科学的な評価ではないと世界中の科学者が言っている。
米国のジャーナリストのマーク・モラノ氏は、多くの科学者の学説やデータをもとに「地球温暖化」論のウソをあばいている(『地球温暖化の不都合な真実』)。IPCC は「温暖化で北極の氷が解け、シロクマが絶滅する。南極の氷も解けて、海面上昇によって 2000 年までに多くの国の沿岸の主要都市が水没する」と行ってきた。だが、2018 年のシロクマの推定値は 39,000 頭となっている、NASA の衛星観測によれば南極の氷も増え続けて年ごとに最高記録を更新している、加速度的な海面上昇は起こらず、ツバルなどミクロネシアの島々は面積を広げている。
2009 年には、IPCC の科学部門を統括する「公正な権威ある機関」の中枢にいる科学者が地球温暖化を印象付けるために、データをねつ造したり都合の悪いデータの好評を抑えるためにやりとりしたメールが大量に流出して、そのウソがばれた(クライメートゲート 事件)。IPCC の 1 次報告書(1990 年 8 月)は、今後も CO2 の規制がなければ地球の平均気温は 2025 年までに約 1 度、21 世紀末までに 3 度の上昇が予測されるとし、IPCC 初代委員長は「2020 年にロンドンもニューヨークも水没し、北極圏のツンドラ地帯は牧場になる」といった。この 1 次報告書の作業部会に関わった西岡秀三氏(国立環境研究所)は「ここでは科学の論理が通用しない。出席者は政府を背負う外交官であり、ロビイストであり、NGO である。部会に参加した多くの研究者が、嫌気が差して 2 度と IPCC には出ていかないと宣言している」と述べている。

次月へ続く