2022 年3 月号vol .19

権力者の横暴を防ぐ憲法が危ない
『自民党が壊憲して創設しようとする緊急事態条項』
立憲主義の国が全体主義の国になってしまう
国民投票法 憲法改正をする際に各議院の 2/3 以上の賛成で発議され、国民投票で過半数の賛成を得なければならない。日本では憲法改正目的のための国民投票となっている。2007 年に制定された国民投票法には致命的な欠陥がある。海外では原則禁止となっている 「広告の規制」がなく、CM が流し放題となっている。
「カネさえあれば圧倒的な量の CM を流せる」「あらゆる広告手段を使って宣伝できる」これらから言えることは、資金量に差がある場合、カネを持っている陣営が圧倒的に有利になる。
「資金力」と「広告力」で国民投票の結果が左右されてしまう。

「国民主権」とは国民が憲法を制定 / 改正する権利が国民にあることを意味しています。立憲主義において憲法とは「国民が権力者をしばるものであり、憲法はそのための道具である」という考え方です。
「権力をしばる道具である憲法」を制定したり、改正する権利を持っているのは主権者である「国民」ということになります。
憲法 99 条〔憲法尊重擁護の義務〕
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員はこの憲法を尊重し擁護する義務を負う。

憲法の規定およびその精神を忠実に守る義務があるのに、自民、公明、維新は全く逆で憲法を壊して、憲法を国民をしばるものに変えようとしている。
憲法を制定している世界中の国で日本だけが、権力の制限を外して、国民の権利・自由を なくし権力者のやりたい放題ができる憲法に変えようとしている。自民党改憲草案はとても憲法と呼べるものではありません。立憲主義の破壊者集団 = 自民党など。憲法を壊すことしか頭にない。このような政党に投票する国民は(自民党の)実態が分かっているのか?

憲法とは国家権力を制限して人権を保障するもの。
立憲主義とは憲法で権力を制限して、憲法に基づく政治を行うこと。
立憲主義に基づいて制定された憲法は 2 つのことを規定している。1 つ目、国民の権利・自由の保障。2 つ目、国民の権利・自由を保障するための国家組織の基本としての権力の分立。
憲法が制定されている国で緊急事態条項を入れようとしているのは、日本だけです。

国民投票広告は 2 つあります。
⑴国民投票運動広告 テレビ CM が投票日の 2 週間前から禁止となる
賛成・反対どちらかの投票を呼びかける
例〕 ○月○日の国民投票では是非「反対(賛成)」に 1 票を
⑵意見広告 禁止条項はなく、投票日当日まで放映できる個人や企業、団体が意見表明する
例〕私は憲法改悪に反対します

投票運動の規制がテレビ CM 以外になく、選挙運動の手段や予算、時間等に規制がない。自民党は政党交付金を一番多く受け取り、企業献金のほとんどが入っている。また、背後には神社本庁や日本会議という支援団体がある。
護憲派は大きな支援組織がないため資金集めで苦労する。集金力では壊憲派と比べものにならない。例えるなら個人商店が大会社と競うようなもので勝負にならない。

〔プロパガンダ〕 反対意見を締め出して、持っていきたい方向での意見を繰り返し報道や広告宣伝することで、個人の意識に働きかけて人々を意図する方向へ誘導する。
壊憲派が資金力にものを言わせて、憲法改正のテレビ CM を圧倒的に多く流せるため国民は改正賛成に投票するよう誘導されてしまう。
また、マスコミが事前予想で改正賛成が多いような報道をすると投票に行かなくなり低投票率で、世界中に誇れる憲法が壊される可能性が大きい。

国民投票法の問題点について「メディアに操作される憲法改正国民投票」より引用 予算で上回る改憲派が絶対的に有利な状況にある。その要因を 3 つに分けて説明する。 A 改憲派は国民投票のスケジュールを自在に管理できる。
B 改憲派は巨額の資金を有し、調達できる。
C 改憲派の広告宣伝を担当するのは電通である。

A 改憲派は国民投票のスケジュールを自在に管理できる。
改憲派は自らが国会発議を提案する立場であるため、そのスケジュールを想定して予め 十分な準備ができるのに対し、現状の護憲派はあくまで発議阻止が大前提のため、全てが受け身となる。改憲派は発議を提案する国会の開会時にはおよその日程を想定し、それに基づいて国民投票運動(広報宣伝)戦略を立てられるのに対し、護憲派は国会発議を止めることに全力を費やし、発議後にようやく広告宣伝作業に着手することになる。この初動の差はとてつもなく大きい。
広告宣伝とは
⑴広告制作
⑵制作した広告を放映・掲載するための広告枠の確保
の両輪が回って初めて可能となる。
CM や新聞雑誌に掲載する広告のビジュアル(デザイン)やコピー(セリフや文章)の制作をしつつ、それらを掲載するための広告枠確保を行わなければ、せっかく作った広告も人の目に届かない。この広告制作には通常、最低でも 1~2 ヵ月を要するし、広告枠の確保 は 3 ヵ月ほど前から行う。もし国民投票が年末などの繁忙期に重なると、それだけで CM枠の確保は難しくなるし、価格もつり上がる。そうした制作や広告枠の購買業務をできるのは広告代理店だけであり、オーダーが早ければ早いほど有利に立てる。つまり、予め スケジュールを立てられる改憲派が絶対的に有利な立場に立てる。

B 改憲派は巨額の資金を用意する力がある
改憲派は自民党の豊富な政党助成金、さらに経団連を中心とした大企業や個人からの献金を短時間で集めて広告宣伝に使える。その場合の集金母体は当然、自民党または自民党が中心となって作る改憲派団体となる。
重要なのは政権与党が改憲派であることで、もともと思想的に改憲に積極的な層や集団以外にも、与党にくみすることが後々特になると考える企業や個人は、こぞって資金を 拠出するだろう。そして、現行法には、寄付の上限金額に対する制限がないので、いわば青天井状態で寄付を集めることが可能だ。

これに対し、護憲派は政党助成金だけでは格段に見劣りする。カンパを募るのにも時間がかかるだろう。集まる金額は改憲派と桁違いに低いことが予想される。
宣伝の窓口となる広告代理店と掲出先のメディアは支払い能力の有無を厳しく査定してから広告を受注するので、政党以外の宣伝主体ではそもそも広告を受け付けてもらえない可能性が高い。広告を発注する段階で大きな時間差を生じる。

C 改憲派の広告宣伝を担当するのは電通である
日本最大の広告代理店である電通が改憲派の宣伝広告を担当することが、国民投票の勝敗を左右する最も大きな要因となる。
電通は全ての媒体において他社より優先的に購入できる広告枠を有している。また、日本のメディアの中で一番取引金額が大きいテレビ業界でのシェアが約 35% とダントツに高く非常に大きな影響力を持っている。そして電通は戦後一貫して自民党の広告宣伝を担当しているので、国民投票においても自民党を中心とする改憲派の広告宣伝を担当することはほぼ間違いない。社としての電通が改憲派であるわけではないが、その力をもってすれば以下のようなことが可能である。

① 改憲派は電通を通じて発議までのスケジュールを想定して広告発注を行い、テレビ CMのゴールデンタイムをはじめ、あらゆる広告媒体(新聞・雑誌・ラジオ・インターネット・交通広告等)の有料枠を事前に押さえることができる。その際、電通は「自動車」「家電」などのダミーネームで広告枠を押さえるため、護憲派はそれを察知できない。発注が遅れた護憲派の CM や広告は、視聴率などが低い「売れ残り枠」を埋めるだけになる可能性が 非常に高い。
② もし投票日が発議後 60 日後の最も短い期間になった場合、改憲派は事前準備して発議後、翌日から広告宣伝をフル回転(広告を放映・掲載)できるのに対し、護憲派がテレビ CM などを放映開始できるのは(制作日数を考慮すると)どんなに早くても 2~3 週間後 となり、その間は改憲派の広告ばかりが放送・掲出されることになる。
この初動の差を埋めるのは至難である。さらに週刊誌や月刊誌などへの広告掲載はすでに 優良枠を買い占められて、ほとんど何も掲載できないまま投票日を迎える可能性すらある。
③ 当然、改憲派は雑誌関係でも国会発議予定日に照準を合わせ、「国民投票特集」のような雑誌・ムック本・新書・単行本などの発売を計画できるが、護憲派にそんな時間的余裕はなく、国会発議のタイミングでの書店店頭は、改憲派関連書籍によって占拠される可能性がある。
④ 改憲派は豊富な資金にものを言わせて大量のタレントを動員し、出演者が毎日変わる「日替わり CM」も制作可能。老若男女に人気の高いタレントや著名人をそれぞれの年齢別ターゲット層に合わせて出演させ、若い層には「改憲イエス」、高齢層には「改憲、考えてみませんか」などと異なるアプローチで毎日語りかける演出ができる。
⑤ 改憲派は国会発議のスケジュールに合わせて自前の番組枠を持つことも可能だ。 MX テレビの「ニュース女子」のように、スポンサーが資金を出して制作プロダクションに番組を作らせ、テレビ局に持ち込む方式にすればよい。国会発議後、民放深夜枠や BS・CS 放送の時間枠を買いきれば十分可能である。
⑥ インターネットにおいても、改憲派は早くから主要ポータルサイトの広告欄をすべて押さえ、様々な種類の広告を展開できる。また、あらゆる SNS や買い物サイトに おいても、個人の性別や年齢に最も適した内容の広告を準備し、発議直後から展開できる。これに対し護憲派は発議以降に各種サイトの広告枠を購入しようとしても、人気のある枠 はすべて買い占められていて出稿できないことも考えられる。
⑦ 国民投票法には、公職選挙法のような「事前運動」の禁止規定がない。国会発議以前から改憲賛成を意図する広告を流しても、法的に何ら問題がない。つまり、国民投票発議を話し合う国会が召集された頃から広告宣伝を展開しても、法的には何ら問題がない。

もしこれがすべて実行されたら、護憲派の主張などほんのわずかしか世に流れないのではと思えるほどの圧倒的な差ではないだろうか。ここに記したことは電通にとって朝飯前であり、すべては初動の差と資金量の差によって決まると言っても過言ではない。
例えるなら、ボクシングでスーパーヘビー級チャンピオンとモスキート級のノンランカーを戦わせるくらいの力の差がある。
しかもここまでに列挙したことは、広告宣伝の実務を知る者にとっては当たり前のことである。新製品発売キャンペーンなどで広告代理店がいつも行っている日常業務を国民投票に当てはめたに過ぎない。
大手企業の新製品発売キャンペーンは最低でも 3 ヵ月~半年以上前から周到に準備される。訴求ポイントを確定し、それに伴い製品のネーミング、ターゲット層の確定、そのターゲ ット層に有効なメディアへの広告出稿計画や CM などの広告表現案を立案し、何度も修正 を加えてベストと思える出来上がりを目指す。そして、その制作業務と並行して広告枠の 購入を行う。

全国 5 大商圏(東京・大阪・名古屋・福岡・札幌)でテレビ CM を展開し、ある程度の 認知度を得るためには、2 週間程度、約 5 億円のスポット CM 予算が必要と言われている。ゴールデンタイムなど視聴率が高い時間帯でテレビ CM を流すには、最低でもそれ位の 資金が必要となる。
国民投票法を修正して広告を規制しない限り、ウソか本当か分からない内容の広告や、フェイクニュースが氾濫する恐れれが非常に高くなる。現行法ではそれらを検証する第三者機関がなく、掲載元となるメディア側の内容審査が甘ければそのような情報がどんどん発信される。
そうした悪しき事態を防止するためには、通常選挙における選挙管理委員会や番組の公平性を審査する BPO(放送倫理・番組向上機構)に匹敵する強力な第三者機関を新たに設置する必要がある。
フランスでは国民投票の際には審査機関が必ず設置され、賛成・反対双方の広告宣伝の内容をチェックし、問題があればその是正を勧告している。
国論を二分するような重要な投票であるからこそ、そこにはウソやデマ、誹謗中傷が安易に入り込まないよう公平性と真実性が担保されなければならない。